不整脈

当院の循環器科の強み

  • 循環器専門医による専門的な循環器診療を行います。循環器疾患に関連する症状がある場合は、ご相談ください。
  • 大学病院や総合病院、心不全専門の定期訪問診療など専門医療機関との連携も図っておりますので、ご安心ください。重症度に合わせて患者さんにとって最適治療を提供できるようにしています。
  • 心不全stageCまでの外来治療を行います。心不全入院後でも、病態によっては当院での外来加療が可能ですので、ご相談ください。
  • 大学病院で冠動脈ステント留置、カテーテルアブレーション治療をした患者さんのその後の定期的な治療継続も行いますので、ご相談ください。
  • 心臓機能障害指定医です。必要書類記載希望の方はご相談ください。(定期通院中の方のみ。)
  • 睡眠時無呼吸症候群が疑われる方の検査と診断、C P A P治療を行っております。検査はご自宅に検査機械が送られてきますので、入院の必要はありません。価格も一般的に入院して行うよりも低価格で行うことが可能です。
  • 保険適応の禁煙治療も行っております。詳しくはご相談ください。(現在、全国的にチャンピックスの出荷調整が続いておりますので、供給が安定し次第再開検討します。)

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不整脈とは?

心臓自体は筋肉の塊ですが、その中に電気が流れる回路が走っていて、電気が流れることで自動的に心臓が縮んだり広がったりして、全身に血液を流すポンプとして働いています。心臓が効率よくポンプとして機能するために、通常は一定のリズムを守って動いています。
不整脈とは、普段のリズムと違った脈のことを総称して言いますが、人は誰でも少なからず不整脈は起きていますので、その中で病的意義(治療をしないと色々と問題になるもの)が大きいものが治療対象となります

洞不全症候群とは?

心臓は、洞結節という部位から電気が作られ、洞結節→心房→房室結節→左脚/右脚→心室の順に電気が流れ、心筋が収縮することで、心臓から血液が流れます。その命令を出す洞結節の不具合で、電気の流れが遅くなる(速くなるものもあります。)病気です。細かくは3タイプありますが、検査・治療方針(ほとんどペースメーカー)は大きく変わりませんので、ここでは割愛致します。気になる方は医師にご確認ください。

房室ブロックとは?

上記の通り、心房と心室の中継地点となる房室結節の不具合で生じる電気の流れが一部ブロックされる不整脈です。
これも3タイプがありますが、そのうち1タイプは生理的な変化で起きるものですので、特別治療せずに様子を見ることがほとんどです。他2タイプは、ペースメーカーを検討します。

発作性上室性頻拍症とは?

上室というのは概ね心房のことを意味します。発作的に始まり、発作的に終わる頻拍の特徴があり、上室で起きる速い脈の不整脈のことを指します。細かくは、房室結節回帰性頻拍、房室回帰性頻拍、心房頻拍という不整脈を総称しています。副伝導路と言われる、正常の伝導路以外に存在する伝導路に電気が流れ込んでしまうことが原因で生じる不整脈です。この副伝導路は、一定の割合で生まれもって存在しており、決して珍しい割合ではありませんが、その中で環境因子(ストレスや加齢、体重変化、食生活など)によって、不整脈が発症することがあります。
このタイプの不整脈はカテーテルアブレーションによる根治治療が可能な可能性が高い不整脈です。(心房頻拍については、カテーテルアブレーションが難しい場合もあります。)

心房粗動とは?

主には、三尖弁輪周囲をぐるぐる回る(リエントリー)不整脈のことで、脈拍が150くらいに速くなる場合から、75回くらいとそれほど速くならない場合もあります。(心房を回るスピードは約300/回ですが、そのうちの一部が心室に伝わる状態です。)脈は150くらいと速い場合には、緊急的に治療をした方が良い場合がありますので、注意が必要です。

心房細動とは?

心房細動は、心房粗動よりもさらに細かく電気がぐるぐる回る(マイクロリエントリー)不整脈で、その多くは、肺静脈から左房に流入する出口周辺から生じることがわかっています。(解剖学的に血管と心房の境目が起源になりやすい、傷害心筋がなりやすいなどの特徴があります。)
以前は内服治療がメインでしたが、最近はカテーテルアブレーション治療を行う場合も多いです。しかし、色々な因子を踏まえて総合的に判断する必要がありますので、専門医の判断が重要になります。

期外収縮とは?

脈が飛んだような感覚や、脈のタイミングが一時的にバラバラになったような感じがして、頻回に起きると気分が悪くなります。しかし、1日に1〜2万発を超える場合や、心機能に影響を与える場合などでない限りは、命に関わることはありませんので、経過観察となります。

心室頻拍とは?

これまで主に心臓の上の部屋(心房)で起きる不整脈の説明でしたが、心室で起きる不整脈で長く続くようなものは、不整脈自体が起きることで命に関わる場合や、心臓の具合自体が悪い可能性がありますので、その原因を調べ、治療まで入念に検討する必要がります。一度は、高度医療機関で精査する必要があります。

どんな症状が出ますか?

不整脈は大きく分けて、脈が速くなるものと、脈がゆっくりになるものがあります。脈が速くなる場合は、ほとんどの人が動悸として感じます。
一方、脈がゆっくりになる場合の症状はさまざまで、めまいや一瞬意識がなくなる、かなり疲れやすい、吐気やめまいを訴える方もいます。(脈が速い不整脈でも、重症な場合には遅い不整脈と同じような症状を感じることがあります。)

検査、治療について

心電図や24時間心電図でほとんど診断可能です。しかし、不整脈の病気は全て、現行犯逮捕をしないと診断がつかないので、症状がある時にこれらの検査を行う必要があります。1日に1回以上症状がある場合は、すぐに診断できますが、それ以下の頻度の場合は、繰り返し検査を行う必要があります。少し面倒ですが、心臓の病気は、放置すると命に関わる可能性が高いので、頑張って検査を続ける意義は大きいと考えます。
治療は、脈が速くなる不整脈のうち、発作性上質性頻拍や心房粗動に関しては、内服薬よりも心臓カテーテルアブレーションという治療が優先されます。一方、心房細動は、初期の段階であればカテーテルアブレーションも積極的に検討しますが、色々な因子により、内服治療を優先することもあります。カテーテルアブレーションは、不整脈の原因となっている異常な電気回路に対して、軽いやけどを人工的に作ることで、回路に電気が流れないようにする(つまり、不整脈が起きなくなる)治療です。他にも、一般的な頻度としては高くありませんが、命の危険が高いような速い不整脈(心室頻拍)には、植え込み型電気的除細動器という、心臓の中から直接電気ショックをかけるような機械を必要とする場合もあります。
一方、脈が遅くなる不整脈は、ペースメーカーという機械を入れる治療が必要になることがほとんどです。伝導路が正常で脈が遅い場合には、脈を少しだけ速くする薬で対応するような場合もありますが、伝導路自体が壊れている場合には、薬での治療は難しいと考えてください。現在のペースメーカーは、とても軽量化されているので、体格の良い方であれば、ほとんど目立ちません。また、リードレスペースメーカーといって、心臓の中に直接とても小さなペースメーカーを入れることもできるようになってきました。(現時点では適応となる不整脈は限定されています。)

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